専門用語たちの必要性

本サイトは、専門用語をあまり意識せずとも進めていけるように作っていく予定です。
一方、それら専門用語の対象は、実は大事な働きをしてくれている、必須なものだと理解できれば、申告のストレスが減るかも知れません。
ご興味のある方は、お読みください。

利用者識別番号

今でこそマイナンバーなんて番号があるものの、それ以前には個人を特定する番号がありませんでした。
e-Taxからすると、ログインIDみたいなものですね。
国民全員が確定申告する訳じゃないから、申告する人だけが取得します。
来年以降もずっと同じ番号でログインするので、忘れないように管理して下さい。
引っ越しても同じ番号です。
例えば、引っ越して納税先の税務署が変わったにも関わらず、前年以前の株やFXの損失を繰り越していけるのは、不変のIDがあるから可能なのだと思います。

納税用確認番号

利用者識別番号を登録するとき、必須入力となっています。
ふるさと納税のように税金の還付を受ける時には使いませんが、登録しないと先に進めません。
給料以外で20万円以上の収入があったとき、追加の税金を税務署に振り込みます。その時に入力します。
税務署からすると、「大量の振込み明細」と「個々の確定申告書」を紐づけるのに、マッチング番号でもないとやってられないということでしょう。
かといって、利用者識別番号を振込み時に入力させるのはリスク(通帳にも印字される)だし、16桁も入力できない銀行もあるし、16桁は入力間違いも頻発するだろうし、と思われます。

第三者に漏れても害はない(と思う)ので、メモっておけばよいと思います。
尚、忘れてしまったら、普段はいらない「e-Taxソフト」なるものをインストールして再設定可能です。

電子証明書

税務署宛に確定申告のデータを送信している人を証明し、送信途中に改ざんされていないことを証明するものです。つまり、なりすまし防止。
もし、なりすましが出来たとしたら・・・。
例えば悪い人が、違法に銀行口座を手に入れたとします。犯人は、口座と同姓同名の人を探します(Aさん)。犯人は、Aさんの住所や氏名を使って確定申告を行い、還付金の振込先に犯人所有の口座を指定するかも知れません。
もっともらしい申告内容なら、一旦は還付金が振り込まれるかも知れません。そして後日、不正を税務署が知ることとなり、Aさんに確認がいきます。当然ながらAさんに身に覚えはなく、純粋な被害者なのに、「自分は何もしていない」ことを証明していかなきゃいけない羽目になってしまうかも知れません。
税務署が不正に気付くよりも先に、Aさんが確定申告をするかも知れません。すると犯人の申告と矛盾することになり、またややこしいことに。
こういったなりすまし行為が、電子証明書によって防がれていると思えば、少々面倒でも仕方ない作業なのかな、と思えるかと思います。

ルート証明書

e-Taxを使うためのおまじないと思っておけばよいものですが、ご興味あれば。
電子証明書は「送信している申告者が正しいこと」をチェックしているのに対し、ルート証明書は「送信先サーバーが本物(国税局)であることや送信データが途中で改ざんされていないこと」をチェックしてくれます。
国税局に似せ、いわゆるフィッシングサイトを作るような犯罪への対策です。

例えばブラウザでアクセスするとき、URLがhttps://~になっていれば、安心しますよね。(フィッシングサイトではないと思いますよね)
httpsのサイト自体は個人でも簡単に作れますが、そんなサイトはブラウザが「こんなサイト知らないけど、いいの?危ないよ?」と警告してくれます。

これは裏で、ブラウザが信じる認証局(ベリサインやジオトラストといった会社たち)に登録済みかをチェック(ルート証明書を秘密鍵と公開鍵で確認)している為です。

日本政府も認証局を持っていて、国税局も使っていますが、IE等のブラウザ製品に標準で組み込まれている訳ではありません。
従って、我々はインストールして組み込む必要があるのです。
これにより、政府共用認証局のチェックを受けたデータでないと受け付けないこととし、なりすましや改ざん対策をしています。申告者を守る為です。

悪いこと企む人がいなきゃいいんですけど、人類を含めた生物の歴史は奪い合いの歴史、DNAレベルで無理な話なのかも知れません。

提出省略の証明書たち

前述の通り、ふるさと納税の寄付金証明書そのものは、税務署に送る必要がありません。但し、税務署が急に要求するかもだから、7年間保存すること、みたいに書いていた気がします。
税務署からすると、紙とかPDFで送られても、人間が目でチェックするのは膨大な作業だからだと思っています。税金の無駄。
すると、行ってもいない寄付金を申告したら儲かるじゃん・・と、よからぬ思いを持つ人も出てくるかと思います。
この牽制として税務署は、申告から3年後とか5年後とかにでも、怪しいと思える対象を選んでか、突然「あなたは寄付金を証明できるものを提出してください」と言ってくるそうです。
おそらくですが、寄付先の地方自治体は、国税局に対して寄付者の明細をデータで提供しているんだと思います。
そこで、確定申告の明細と突合せてチェックし、必要に応じて自治体にも確認し、これは怪しいと思える人を抽出しているのではないでしょうか。
同じように、株やFXの決済明細も証券会社から各人の損益データが提供されているのだと思っています。

嵩張るものでもないのでしっかり保管が原則ですが、もし失くしてしまっても自治体にお願いすれば再発行してくれると思われます。
領収書やレシートといった経費扱いの証憑とは異なり、同一内容の寄付金証明書が2枚あっても悪さは出来ないためです。

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