ハウスメーカーの営業利益率

どこのハウスメーカーがどれだけの利益率を出しているのか、各社の有価証券報告書を一通り見てみました。2016年度で合わせると、下記の通りでした。
桧家さん、契約後には徹底したコスト削減をなさっていたから営業利益率も高かろうと思いましたが、やはり高めにランクインしました。
年々、率が減っているのは、おそらくCM代と展示場の拡大経費でしょうか。
タマホームさんは評判通り、薄利多売ですね。

※私個人の手動による転記ですので、ミスが残っているかも知れません。ご容赦下さい。

金額単位:百万円

ハウスメーカー セグメント 売上高 営業利益 利益率 備考
積水ハウス 戸建注文住宅 383,129 49,514 12.9%
へーベルハウス 建築請負部門 404,300 41,600 10.3% マンション含む
セキスイハイム 住宅カンパニー 484,975 37,549 7.7%
住友林業 住宅事業 466,398 32,349 6.9%
桧家住宅 注文住宅 51,919 3,341 6.4% 2015年は7.6%、2010年は9.5%
アクアフォームの利益は別
ダイワハウス 戸建住宅 390,332 19,290 4.9%
パナホーム 全社 359,607 11,848 3.3% セグメント別の記載無し
アキュラホーム 全社 38,017 1,053 2.8%
三井ホーム 新築事業 178,467 3,778 2.1%
ミサワホーム 全社 399,853 8,401 2.1% セグメント別の記載無し
ヤマダSxL 住宅事業 34,775 686 2.0%
タマホーム 住宅事業 131,900 2,437 1.8%

下記の4社は、決算書の類を見つけることが出来ませんでした。
トヨタホーム
一条工務店
アイフルホーム
クレバリーホーム

参考までに、他業界の大手企業の営業利益率(2016年度)も転記します。

会社名 売上高 営業利益 利益率
トヨタ 全社 27,597,193 1,994,372 7.2%
ホンダ 全社 13,999,200 840,711 6.0%
日立 全社 9,162,264 587,309 6.4%
イオン 全社 8,210,145 184,739 2.3%
パナソニック 全社 7,343,707 276,800 3.8%
東京電力HD 全社 5,357,734 258,680 4.8%
JR東 全社 2,880,802 466,309 16.2%
NEC 全社 2,665,035 41,838 1.6%

今回の比較は、事業の儲けを表す営業利益を並べました。
簿記会計の世界では利益の種類がたくさんあります。その中で営業利益が相応しいと思ったのは、それぞれ下記の特性を持つからです。

売上総利益 売上から原価を引いたもの。粗利ともいう。
現場監督や大工さんの人件費、外注先への支払などは、こちらに加味。
営業利益 ①から、営業担当の人件費、営業上の経費、展示場やテレビCMなどの販売促進費、その他全社負担分(本支店の人件費、建物等維持費)といった事業支援の負担を引いたもの。
経常利益 ②から、特定の事業に依存しない、会社としての負担(銀行への金利負担など)や、利益(配当の受取など)を加味したもの。
営業利益より大きな数字になることも珍しくない。
純利益 ③から、例えば会社の資金で株投資とか、不動産投資とか、本業以外の利益・損失を加味したものが税引前純利益。
その後、法人税などの税金を納めた残りが、税引後純利益。
最終的な利益なので、この金額から、株主への配当にまわすといった処分が出来る。残した分、つまり次年度に繰り越した分が、会社の体力増強となる。

会社によって異なりますが、②営業利益までを事業セグメント別に発表している企業が多いです。
セグメント別に出すと都合が悪い企業、セグメント別に出せるような区分けが無い(良い面もある)企業などは、全社分まとめての数字しか発表していないこともあります。
今回は可能な限り、注文住宅という事業軸で比較を試みました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする