Z空調は、他のハウスメーカーと比べて優位にあるのか

Z空調は、他のハウスメーカーと比べて優位にあるのか

まさか自宅で全館空調、もともと期待していなかった環境に、どうしても期待を寄せてしまいました。
当時、桧家住宅さんにお願いしようと思った動機の1つであることは、間違いありません。

Z空調の快適さと、これから住んでみてレポートしていく予定です。
電気代は、纏めページ月次ブログで更新していく予定です。

Z空調の構成

さて、Z空調をネット検索していくと、そのニュースリリースでは、「普通の全館空調は200万以上するのに、桧家では111万~に抑えました!」といった旨の記載がたくさん出てきます。

家を建てた今、「何がZ空調」で、「何が111万円相当」なのか、考えてみたいと思います。

Z空調の仕様は、「Z空調 説明」でGoogle検索すると、取扱説明書がヒットするので、そこに記載されています。
私の理解では、Z空調の内容とは下記の通りです。

【狭義のZ空調】ダイキンエアコン
【広義のZ空調】ダイキンエアコン + 第一種換気システム(ココチE 熱交換比率 約70%) + 泡断熱(アクアフォーム)

広義の3点セット、他のハウスメーカーと比較すると下記になります。

ハウスメーカー 桧家住宅 第一種換気採用HM 第三種換気採用HM
エアコン ダイキンエアコン (自分で購入) (自分で購入)
換気システム 熱交換率 約70% 熱交換率 80%超えが
多く検索にでる
なし
断熱性 平均的 様々 様々

こうやって並べてみると、残念ながらZ空調に特段の優位性を感じることが出来ません。
天井埋め込み型のエアコンであることを除けば、何がメリットのだろう。

私だって、何もZ空調の否定をしたくて整理した訳ではありません。
せっかく購入したZ空調の家、その優位性に根拠・裏付けが欲しいと思って調べてみたら、優位性が少なくて悲しみを覚えた、というのが実状です。
3点セット以外にも、何か、何か桧家さんオリジナルのメリットがあるのではと漠然とした期待も感じていました。

昨今の断熱性能で、第一種換気システムがあれば、エアコン連続稼働でも効率的。

エアコン連続稼働の有効性(頻繁にON/OFFすると効率悪い)は、何年も前から言われていることで、桧家さんが言い出した訳ではありません。
エアコンを付けっ放しにして第一種換気で家じゅうに巡らすことが全館空調であれば、それは確かに全館空調。
桧家さんは、これにZ空調という「ネーミングをした」だけなのではないか、と思うようになりました・・。

では、桧家さんが111万円~といっているのは、何に対してなのか、考えてみました。

エアコン

まず、狭義のZ空調とも呼べるダイキンエアコンは、下記の機種(2014年製)から、家のサイズに応じて2つ設置されます。(型番は前述の通り、桧家さんのHPに載っている)

S28RLV 10畳程度向け 定価:365,000(税抜)、ネット価格:100,000程度(税込)
S36RLV 12畳程度向け 定価:405,000(税抜)、ネット価格:110,000程度(税込)
S40RLV 14畳程度向け 定価:465,000(税抜)、ネット価格:130,000程度(税込)
S50RLV 16畳程度向け 定価:528,000(税抜)、ネット価格:150,000程度(税込)

弊宅では、S50RLVとS36RLVの組合せでした。
定価ベースで2台の合計、93万3千円。

桧家さんから頂いた明細では、このエアコン2台で120数万となっていて、同額のZ空調キャンペーン値引きが載っていました。よって、120数万にはエアコン定価だけでなく、施工費までを記載していのかなと思います。
逆算すると、施工費は2台で30万弱ということになります。
桧家さんの明細は、最後に消費税がつくので、いずれも税抜きです。

もしも、もしも「Z空調無料キャンペーン!」の実体が、「ダイキンエアコン2台プレゼントキャンペーン!取付費こみ!」だったのだとしたら、聞き手の印象は変わってしまいますね。

第一種換気システム

ココチEは、熱交換比率が約70%とのことです。ココチEの価格は、ネットで検索しても分かりませんでした。

検索でヒットした日本スティーベル(ドイツ法人の支社)が販売している第一種換気システムは、下記の価格でした。システムだけなので、施工費は不明です。

ダクトレス給排気 暖房:85% 冷房:84% 定価:100,000(税抜)
セントラル換気  90%        定価:325,000(税抜)

スティーベルの製品は、ココチEよりもずっと高性能でこの価格帯な(卸価格はもっと低い)訳だから、第一種換気システムは贅沢品という訳ではなさそうです。
施工費は当然発生するとは思いますが、壁や床をめくったりする必要のない状況ならそう高額になるとも思えません。
なにより、24時間換気そのものは最近の建築で義務と聞いているので、標準工事の範疇かと思います。
何が言いたいかというと、第一種換気システム+エアコン連続稼働≒全館空調、なのであれば、どんな注文住宅でも多少の追加費用で第一種換気システムさえつけてしまえば同様なのかなと、そのような印象を持った訳です。

断熱材

新築で断熱材が入っていない建築はありえません。
アクアフォームの断熱性能は平均的なものであるようなので、この価格がZ空調費用に含まれているとは思えません。

Z空調の試算

ここまで書いて申し訳ありませんが、結局、Z空調の正確な試算は出来ませんでした。
自分なりに仮説をいくつか立ててみたのですが、「間違いない」と思えるような仮説にはなりませんでした。
個人的に最も可能性が高いと思うのは、前述のとおり、ダイキンエアコン2台を取り付けますよ、天井埋め込みだから施工費も高めですよ、といったものです。

桧家さんの特許を素人目で見る限り、床下に空気を流すために工夫はしても、特殊な工事をするようなことは読み取れませんでした。

私(素人)の結論

どんなハウスメーカーで建てても、今時の断熱性能で第一種換気システムさえ組み込んでもらえたら、全館空調になりそうです。
エアコン付けっぱなしにするだけ。
天井埋め込み型のエアコンも、壁掛けエアコンを部屋数分買うより安いようなので、間取り設計段階でハウスメーカーに頼めば、スタイリッシュさも手に入りそうです。
そしてそれは、決して高額な追加コストではなさそうです。

特に、換気システムは日本スティーベルのような高性能なものを採用すると、Z空調を上回る環境が手に入るかも知れません。
ダイキンエアコンも、うるるとさらら(外気の水分を取り込み、加湿できる)の天井埋め込み型の新製品を、毎年出しているようなので、乾燥対策にも優れているかも知れません。

繰り返しますが、私は自分の家の優位性を確かめたくて、満足度を高めたくて調べ始めました・・。
残念ながら優位性を感じることは出来ませんでしたが、ハウスメーカー選定当時から、今ほどの知識を持っていた訳ではないので、無いものねだりはしません。
現にスタイリッシュな天井埋め込みエアコンの環境を手に入れたことは事実なので、前向きに良いとこ探しをしていきます。

Z空調は桧家さんが特許を取っているとのことで、ざっと読んでみました。
Z空調という言葉は見当たらず、10個ほどの施工条件を全て満たせば、施工しやすくて効率的に全館空調が実現できる、といった概要に理解しました。
特に床下の活用を何度も強調しているところが印象的でした。
一方、これだけ条件が多いと、他社のやり方と完全に一致するようには思えず、他社にどのようなけん制効果を与えるのかは分かりませんでした。
また、特許出願から登録認定までの期間が10ヶ月程度と、かなり早いように思えました。私の聞く限り、だいたい2~3年かかるものと思っていました。
10の条件という限定的な特許申請だから、特許庁も、他の特許と干渉しないことが早く判断できたのだろうか、と推測しました。
いずれにせよ、この特許をもって、他のハウスメーカーが簡易的な全館空調を施工していくことの妨げになるようには、少なくとも私には思えませんでした。

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